|
著者紹介:
村田 洋(むらた ひろし);東京都渋谷区生まれ、九州大学大学院修了。現在、産業医科大学在職。専門は医療政策。
特徴:
この本は、「患者食堂」の現状と在り方を非常に丁寧に解説している、極めて珍しい良書といえる。
一般に考えられている以上に、病院内における「患者食堂」の価値は高い。例えば、入院患者の療養環境の改善にも関係している。にもかかわらず、まだ満足すべき状況ではない。1996年の厚生省の調査でも、診療やケアー、その他の施設に対する満足度に比較し最も低い現状である。
その重要な「患者食堂」をいかに改善すべきか、戦後の患者食堂の設置過程を歴史的に考察しながら、設置状況やその規模的変化、平面配置構成の発展経過などを具体的に示し、今後の患者食堂の在り方を展望している。
しかし病院の診療科によって、その在り方も違ってくる。そこで、診療科別の利用状況を分析して、設置効果や食堂の規模を考察している点も病院の関係者には大変役立つはずである。
さらに、患者食堂が設置された102施設の状況を具体的に調査し、特に九州の3つの大病院における報告・解説は、「患者食堂」の改善に参考になる。患者食堂における食事の受け渡し方法、着席状況、会話の発生状況、食事所要時間など、患者食堂の使われ方や患者の行動パターンについてきわめて詳細な観察調査を行っているからだ。
目次:
第1章 序 論
研究の目的
研究の方法
既往研究との関連
第2章 病棟内患者食堂に関する歴史的考察
患者食堂の設置状況の推移
食堂面積からみた各時期の計画指向
患者食堂の平面配置構成
第3章 病棟内患者食堂の増加過程と問題点
設置時期と利用状況
専用・兼用別設置傾向と利用状況
配置パターンと利用率の相関
室面積と利用率の相関
第4章 病棟内患者食堂の有効性と限界
診療科目別患者食堂の利用率
患者食堂の利用理由
食事中における会話行為の発生状況
患者食堂の利用回避理由
第5章 実例に見る患者食堂の運営と使われ方
実例の施設概要
|